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親知らずの抜歯について

人類の歴史は200万年とも300万年とも言われていますが、今程、噛む力を必要としない軟らかい食物を摂っているのは、ここ100年にもならない年月であり、あまりに短期間に軟らかい食物に移行した為、現代人の顎顔面は急激に退化しています。
つまり皆さんの祖父母は、かなりエラの張ったごつい感じのする顔つきが多いわけですが、今の小学生は細おもての子供が多くなっています。
これは見た目には良いのですが、急速に顎が小さくなり、又その機能の低下を意味しています。
これにより、機能低下は、顎関節症の多発という事態をまねき、又顎の小さくなる事により、親知らずはえる場所がなく、親知らずが顎骨の内に埋まったままだったり横向きに寝た様な状態になったりします。
特に日本人は、欧米人に比べ、顎が小さい割に親知らずのある確率が高く、親知らずが抜きにくい状態にあることが多くあります。
又、親知らずは、生まれながらにない人も多く、つまり退化しなくなりつつある歯でもあります。退化しつつある歯は形態も単純な事が多く、普通にまっすぐ出ている親知らずは非常に簡単な抜歯です。
横をむいて寝ている様な親知らずの抜歯は、骨膜を剥離し、親知らずの周囲の骨を削り、親知らずを切断し抜歯する為、侵襲が大きく、5日~7日間位の腫れと痛みがあります。当院では、その期間を短くし、痛みを少なくする為、レーザーを使用し点滴や筋肉注射を行っています。
親知らずの抜歯もまっすぐに生えていてかみ合わせのある場合、あるいは完全に骨の中にあり(完全埋伏歯)、感染の可能性の少ない歯は積極的に抜歯する必要はないように思いますが、次に紹介するように化膿してしまったケースや、親知らずが一部顔を出していて清掃しづらく感染する可能性の高い場合は抜歯すべきであると思っています。
特に妊娠初期の女性の場合、薬剤の投与に慎重にならざるを得ない時期がありますのであらかじめ抜歯しておいたほうが良いでしょう。

医療法人愛健会 柏森歯科クリニック

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