Tel:0120-24-8330名鉄犬山線『柏森駅』徒歩1分

口臭治療

多くの人が口臭で悩んでいます。北アメリカでは歯科受診理由の3番目が口臭です。口臭の原因は、硫化水素、メチルメルカプタ、ジメチルサルファイドなどの揮発性硫化物です。これらは、悪臭物質で口腔内に、単独あるいは混合して存在しています。当院では、口臭測定器ブレストロンを導入しています。今までは、口臭の程度を客観的数値で表すことは困難でした。ブレストロンは、口臭を測定し、口腔内の口臭の程度を数値で表します。具体的には、上記悪臭物質のガス濃度を測定し、検出したピーク値をデジタル表示します。
当院では、ブレストロンで表示された客観的な数値をもとに、口臭が生理的口臭か、あるいは病的口臭であるかを判断します。その後、メンタル面もふくめ、患者さんにあわせた治療メニューを提供します。結果、口臭は生理的口臭以下の、ほとんど口臭を感じない程度まで改善します。

口臭症の分類

1.生理的口臭

健康な人に認められる、いわゆる原因となる疾患がなくて一時的に生じる正常な口臭

起床直後の強い口臭
緊張時に唾液の分泌が少なくなり、口の中が乾くことにより生じる口臭
加齢による特有の口臭
舌をべーと出すと舌の上に白い苔のようなものが付いていますが、これを舌苔といいます。生理的に舌苔が付着しやすい舌から6割近くの生理的口臭ができると言われています。

2.病的口臭

【歯周病】
口腔内で生じる病的口臭の多くは歯周病が原因となっております。歯垢の中には1グラムあたり50億から100億の歯周細菌が存在しており、歯周病が進むと歯周ポケットが深くなり、その中には歯垢が多く存在し、慢性の炎症症状を引き起こします。
そして、出血、浸出液や組織が壊死して排膿を生じ、それらが口臭の原因となる揮発性硫黄ガスのもととなる為、歯周病の進んだ方は歯周病のコントロールがされている方以外、強烈な口臭を生じます。


【唾液分泌の減少】
唾液の分泌が減少すれば口の中を清掃し洗い流す自浄作用が弱まり口臭が強くなります。精神的な緊張によっても唾液の分泌は抑制され、健康的な人でも口臭が強くなります。唾液の働きとしては、自浄作用の他に炎症があって酸性に傾いた口の中のpHを中性のもどす作用があります。


【虫歯】
大きく崩壊した歯にも多くの歯垢があります。修復物の内部の腐敗等も口臭の原因となります。


【歯列不正や親知らず】
親知らずは一番奥にある為それだけでも清掃が十分にできず歯垢や食物の残りカスが溜まりやすく取りにくい。それが発酵し口臭の原因となります。これは、歯列不正も同様でブラッシングだけでは清掃できない為、やはり歯垢や食物の残りカスが溜まりやすくなります。


【すき間のある 補綴物(かぶせ)】
歯周病により歯肉が下がったり歯と補綴物の間に隙間が出来てしまった場合も同様に歯垢や食物のカスが溜まりやすく、食物の発酵や悪臭物質である揮発性硫黄ガスが発生し、口臭の原因となります。


【口呼吸】常に口呼吸することにより、口の中が乾燥し、口臭の原因となります。

3.仮性口臭症

健康な人に認められる、いわゆる原因となる疾患がなくて一時的に生じる正常な口臭
起床直後の強い口臭
緊張時に唾液の分泌が少なくなり、口の中が乾くことにより生じる口臭
加齢による特有の口臭舌をべーと出すと舌の上に白い苔のようなものが付いていますが、これを舌苔といいます。生理的に舌苔が付着しやすい舌から6割近くの生理的口臭ができると言われています。

4.自臭症

以前に友人や上司から口臭を指摘された過去があり、それが引き金となり対社会的に発生した問題の原因が口臭であると思い込んだり、口臭が人間関係を悪化させないか過剰に心配するケースで専門医(心療内科)との連係が必要となる場合がある様です。

口臭の原因

① 口臭の原因(口腔内)

健康な人の口の中には、約100種類以上の細菌が存在しており、 これらを常在菌と呼んでいます。加齢とともにその割合や種類に変化が 見られます。 その中にいる細菌で空気がなくても活動できる嫌気性細菌の中には、 アミノ酸やペプ チド等のタンパク質を分解して硫化水素、メチルメルカプタン、 ジメテルサルファイドなどの揮発性の硫黄化合物を発生させます。 これが口臭の主な原因物質です。 舌をべーと出すと、ところどころに白い物が付いていますが これを舌苔といいます。舌苔には唾液、血液、歯肉溝浸出液、脱落上皮細胞が含まれ、これが先程の嫌気性細菌により分解されて揮発性の硫黄ガスを発生させます。この様に、口臭の原因物質である揮発性硫黄ガスは舌の上で多く作られます。

② 口臭の原因(全身的な疾患)

全身的な病気や薬物やアルコールの摂取により悪臭の原因物質が肺を介して呼吸として排出される場合があります。

アセトン臭 糖尿病
トルエン シンナー中毒
シアン化合物 シアン中毒
揮発性硫黄ガス 肝硬変、肝癌等の肝機能障害を起こす病気では、腸から吸収された黄ガスが解毒されずに肺から排出される呼気に含まれる。
甘い臭い 喉頭部、気管支、肺のカンジダ感染
タンパク質の腐った様な臭い 呼吸器、消化器、耳鼻咽喉の悪性腫瘍や慢性炎症性疾患

口臭治療の流れ

1.問診

(1)いつ頃から口臭に気付き、その予防の為に何をしたのか。

又、どこで口臭外来を受診し、どのような治療を受けたのかをお聞きします。
口臭を深刻にとらえておられる患者様は口臭治療をすでに受診し、治療している可能性がある為です。

(2)1日何回のブラッシングを行い、糸ようじや歯間ブラシの使用状況と舌の上の清掃はしているかどうか。
又、歯ぐきから出血はあるのかどうかお尋ねします。

その患者様の口腔清掃の感心度とその口臭が舌苔や歯周病が原因か否かを知るためです。

(3)口がよく乾きますか、あるいは1日の飲物はどの位摂取していますか。

又、口内炎がよく発生するかどうかお尋ねします。 飲料水が少ないと唾液の分泌は少なくなりますし、分泌機能の低下により、口臭が強くなります。 又、口内炎については粘膜の病気があるか確認する為です。

(4)喫煙の有無をお聞きします。

タバコによる喫煙臭ももちろんありますが、タバコは歯周病を悪化させる原因である為です。

(5)口臭を更に強く感じる時、あるいは状態をお聞きします。

起床時、空腹時に口臭が強いことは生理的口臭であり、人と話している時に口が乾いて口臭を感じるならば自分の口臭を気にする事による精神的ストレスにより唾液の分泌が低下している可能性もある様です。

(6)現在かかっている病気や使用中の薬剤をお聞きします。

呼吸器疾患、消化器疾患、耳鼻咽喉疾患や糖尿病等の全身的消耗疾患も口臭の原因となる可能性があります。
又、嗅覚異常の可能性のある抗生物質、抗アレルギー剤、高血圧治療薬の使用や唾液分泌を抑制する利尿剤、抗うつ剤、ステロイド剤、抗パーキンソン剤、抗コリン剤、鎮咳去痰剤等の使用も口臭の原因となる可能性がある為です。

(7)口臭の為に社会生活や家庭生活に支障をきたした事があるかどうかをお聞きします。

家族以外の人に口臭を指摘されたり、特に対人関係に気を配る方々には時と場合により心に大きな傷を受けてしまう時がある為、口臭の患者様の精神状態に及ぼしている影響を知る為にお尋ねしています。

2.検査

(1)口臭測定器(ブレストロン)

口臭の原因となっている揮発性硫黄ガスを測定し、客観的にデジタル数字で表示し、自分がどの程度口臭があるか分かります。

(2)官能的検査

患者様の口臭を歯科医が鼻で直接かいで口臭の強さや種類を判定します。この際、検査当日は飲食、口腔清掃、洗口は中止し、起床時のもっとも口臭の強い状態で検査を行います。又、にんにくや香辛料の多い食品や抗生物質の服用も中止します。その判定は0(口臭なし)~5(非常に強い)の6段階になっています。

(3)唾液の分泌量とその性状の検査

唾液の分泌量の低下は口臭の原因の一つであり、その性状も調べる必要があります。唾液は本来、無色透明、無臭ですが歯周病等からくる血液や膿等が含まれたり、食べ物の残りカスがあると唾液そのものが臭いの原因になる可能性があります。当院では、唾液の分泌量、濁度、沈査量、pH、色調を検査し、唾液の性状を調べる様にしています。

(4)歯周病関連の検査

当院では、一定期間ブレストロンにて口臭測定を行いますが、データの悪い(口臭の強い方)はほとんど歯周病が原因でした。その理由から、口臭を訴える患者様には歯周病に関する検査を行っています。

1.プラークの染め出し
2.歯間ポケットの深さ
3.歯の動揺度

3.治療

(1)検査

レントゲンや歯周関連の検査及び唾液の性状の説明と基本的な治療方法を決めていきます。

(2)歯垢の染め出し

歯垢の染め出しを行い、どこに歯垢の取り残しが多いか理解していただきます。基本的なブラシの使い方と歯間ブラシ、デンタルフロスの使用法と舌の清掃法を習得していただきます。特に舌の清掃は生理的な口臭を減らすには効果があります。 当院では、Sonicare(音波振動による電動ブラシ)使用による舌清掃をお勧めしています。

(3)歯周病関係

歯肉より上にある歯石と目に見えない歯間より下に付いている歯石を除去してブラッシング指導との相乗効果により口臭の大きな原因である歯周ポケットからの出血や排膿をなくすようにしていきます。又、非常に深い所に歯石が付き、歯周ポケットが深く歯周病が悪化している場合には歯周外科手術を適用することもあります。

(4)虫歯、状態の悪い親知らず、適合の悪い補綴物などの処置

口腔内モニターやレントゲンを使用し、分かりやすく説明を行い、食物のカスが溜まり腐敗し口臭の原因となる虫歯の治療、親知らずの抜歯、適合の悪い補綴物の再製を行います。

(5)口腔乾燥症に関して

口腔乾燥の症状 会話が困難になる
食物をかんだり、飲み込んだりするのが困難になる
自浄作用や粘膜の潤滑作用が失われ、粘膜の痛みや灼熱感等がでてきます
味覚の減退や消失きたします
虫歯や歯周病の悪化
義歯の装着が難しくなりやすい舌苔が増加し、カンダジ症を発生しやすくなる
口臭乾燥の原因 薬剤( 抗うつ剤、降圧剤、利尿剤、抗コリン剤、抗痙攣剤、下痢止め、抗炎症薬、鎮痛剤、抗パーキンソン剤、気管支拡張剤)
緊張
口呼吸
脱水室内の乾燥した空気
その他
口腔乾燥の治療 原因が服用している薬剤にある場合は、可能ならば唾液の分泌低下をきたさない他の薬剤に変更する
唾液分泌刺激剤
口腔保湿剤の使用
漢方製剤
内服薬
口腔周囲のリハビリテーション
人工唾液
その他当院では、人工唾液(サリベート)とノンアルコールの口腔湿潤剤としてオーラルウェット・オーラルバランスを使用しています。また、内服としては漢方薬の白虎加人参湯を処方しています。

(6)洗口剤

以前より塩化亜鉛の洗口剤は口臭に対して極めて有効と言われてきました。
その理由は
・塩化亜鉛が口臭の原因である揮発性硫黄ガスと結合して臭いの発生を阻害します。
・細菌は含硫アミノ酸やペプチドを分解して揮発性硫黄ガスを作りますが、塩化亜鉛は揮発性硫黄ガスの元となる含硫アミノ酸と結合する為、細菌は、それらを分解できなくなり口臭の原因である揮発性硫黄ガスが作れなくなります。
・細菌の含硫アミノ酸やペプチドを分解する働き自体を阻害します。
・当院では口臭の原因である揮発性硫黄ガスを即効的に持続性を持って防止できる0.1%塩化亜鉛のスプレーとリンス(洗口剤)を用意しています。

(7)再評価

(1)~(6)の口臭治療後、再度口臭測定器を使用し口臭の原因である揮発性硫黄ガスを測定し、どの程度口臭が減少したか確認します。

(8)定期検診

口臭の原因である揮発性硫黄ガスは、歯周病の患者様に多く、また健康な方が揮発性硫黄ガスの濃度が高くなると粘膜透過性を亢進、タンパク質合成阻害コラーゲンの合成阻害と昜溶化自己治癒能力の低下以上の理由によって歯周病を急激に進めてしまします。その為には、2~3ヶ月毎に定期検診を行い、口腔清掃状態の確認と歯石、歯垢の除去と歯面清掃が必要となってきます。

医療法人愛健会 柏森歯科クリニック

Tel:0120-24-8330

480-0103
愛知県丹羽郡扶桑町大字柏森字西前303

診療時間